1987年から日本に住んだツァイ・グオチアンは、火薬の爆発を使った野外作品を次々と発表して注目を集め、今はニューヨークを拠点にして全世界で最も高い評価を受けるようになったアジア人作家のひとりである。1991年に福岡で開かれた「非常口 中国前衛美術家展」に出品されたこの作品は、画布に貼った紙の上で火薬を爆発させ、広大な空き地で実施されたイベントの計画を図解したもの。そのイベントでは、仮設のレールにはわせた導火線を空にあげた凧につなげ、横を電車が通過する時間に合わせて点火すると、爆発の光が天をかけのぼった。地中には海水を凍らせた氷が埋められており、地球以外の天体に存在するかもしれない生命体と、古代から地球に生き続ける海中の生命体とを結びつける意図を示すため、この作品の冷凍庫には土に埋まる氷が入っている。